[書評]本質を見極める「センスメイキング」の力

FutureEdu Tokyo代表 竹村詠美がタトル・モリエイジェンシー「翻訳書ときどき洋書」にお薦め教育書の書評を隔月で寄稿させて頂いております。今月は"Sensemaking: The Power of the Humanities in the Age of the Algorithm" (邦題『センスメイキング』)。これからの時代、「良い判断」をするためにどのように本質を見極める力を養うのかについて、五つの原則を提案している良書です。


日本語でセンスというと、「センスが良い」といったファッションや審美眼的な視点で捉えられがちだが、ラテン語sentire(感じる)が語源となる”Sense”は、英語では、「良い判断をすること (例:coming to senses)」、「理解すること (sense of humour)」といった意味でも使われている。

クリスチャン・マスビアウ氏著の『センスメイキング』はまさに、これからの荒波の時代に「良い判断」をするために、どのように本質を見極める力を養うのかについて、五つの原則を提案している。五つの原則とは、以下のようなものだ。

1.「個人」ではなく「文化」を

2. 単なる「薄いデータ」ではなく「厚いデータ」を

3.「動物園」ではなく「サバンナ」を

4.「生産」ではなく「創造性」を

5.「GPS」ではなく「北極星」を

マスビアウ氏の人間科学や哲学、政治学といったバックグラウンドと、クライアントの悩みを論理だけではなく、文化人類学などのリベラルアーツを駆使することにより、表層的な大量のデータだけでは見抜けなかった本質をどのように見抜いているのか、五つの原則に沿って様々な事例が紹介されている。

本書曰く、センスメイキングはアルゴリズム志向に対する「人文科学を駆使した知の技法」である。それは特に、異文化を理解するときに力を発揮するそうだ。

他の文化について何か意味のある事を語る場合、自身の文化の土台となっている先入観や前提をほんの少し捨て去る必要がある。自分自身の一部を本気で捨てれば、その分、全くもって新しい何かが取り込まれる。洞察力も得られる。このような洞察力を育む行為を筆者は「センスメイキング」と呼んでいる。

つづきはこちら・・・http://bit.ly/2TpWsYt

出典:タトル・モリエイジェンシー「翻訳書ときどき洋書」(https://note.mu/tuttlemori

書籍販売サイトはこちら (Amazon.co.jp にリンクします):"Sensemaking: The Power of the Humanities in the Age of the Algorithm" (洋書/キンドル版)「センスメイキング」(翻訳書)

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