モンテッソーリ教育 教師養成講座体験記 第3回

モンテッソーリ教育 教師養成講座体験記の第3回は、8月に開催された8日間のスクリーニング後の課題提出の様子をお送りします。課題は毎月提出なのですが、改めて課題に取り組むと、自分の理解が浅かった点、深かった点を改めて振り返るきっかけとなります。
 
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課題について

毎月1-2個のテーマについて課題が出されます。基本的に8日間のスクーリングで学んだ事がベースとなりますが、テキストなどからの引用ではなく、きちんと理解をした上で、習ったことを咀嚼して自分の言葉で書くことが求められます。また、テキストだけではなく、参考図書も改めて読み直す機会となります。課題は、今年度の場合には、スクーリングのある8月から12月にかけて毎月の提出となっています。分量としては、大体ワードで4-5枚程度になります。書式の指定など細かく設定がありますので、受講生通信などで事前に確認することが求められます。
 
 
ほぼ毎月の末日が締切になります。どの程度の時間をかけるかは人によると思いますが、私の場合には、大体1課題につき、平均すると5-6時間程度だったと思います。ただ、自分自身の理解が浅い課題になると、思いのほか時間がかかったり、改めて参考図書を読み返したりなど、プラスの時間もかかりました。ワーキングマザーの場合、中々自分の時間をとることが難しいと思うのですが、基本的には朝、夫と娘が起きてくる前の時間(1時間〜1時間半)、仕事の合間の昼休みをメインの勉強時間として費やしました。まとまった時間が取れず、断続的な取り組みになるので、実際には1週間程度を課題をやる週と位置づけて、細切れの時間を活用しました。ただ、ほぼ提出となると月末ギリギリとなっていたのが実情ですが!

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記述形式のものがほとんどですが、中には実際に教具を作ってそれを提出するという課題もあります。その教具の目的や、どのような発達段階、年齢の子供に対して制作したものなのか、実際に子供が使ってみての様子はどうか、などの内容のものがあります。こういった実際に教具制作については、実際に8日間のスクーリングの中で、実際に触れる教具からヒントを得ることが多かったため、そういう視点からも、事前に課題を把握し理解をした上で、8日間のスクーリングを受講するとより深く理解が進むかもしれません。

また、教具に関しては工夫次第では、100円ショップで揃えられるものも多く、当時会場の建物の地下に100円ショップがあったので、授業を受けながらそこで資材を調達していました。ちなみに、以前娘用に私が作った手作り教具ですが、下記のようなものを制作しました。

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こちらは、1歳半頃の娘に向けて作ったもので、実際に当時通っていたモンテッソーリの教室にて娘が集中して取り組んでいるのを見まして、それを参考に作ってみました。ストローを入れる瓶もストローもすべて100円ショップで購入しました。トレイは300円ショップで売っていましたし、Amazonでも購入可能でした。最初はもちろんうまく入れることができませんが、繰り返すうちに、目で穴をみて、そこの場所に、指先でつまんだストローをあわせて入れるということができるようになります。

一見非常に簡単そうですが、このお仕事は、目と手の協応の獲得を目的としていて、固定された瓶の蓋の穴にストローをまっすぐに入れるという動きを通じて、目と手の動きを連動させる練習をしています。この動きを獲得できるようになり、次の段階になると、ビーズの紐通しなど、固定されていないもの同士を使った教具などを用意したりします。

 

課題の採点について 

ちなみに課題は提出後に先生による採点、講評が入り、提出から数ヵ月後に郵送されてきます。久しぶりに、何かしら自分自身が作成したものに点数が付けられるという体験をするのはとても新鮮でした。また、自分自身では分かっていたつもりが、抜けている視点があったりなども講評を通じて学ぶことがあり、ここでさらに自主学習が求められます。ちなみに、先生方からの講評はオンライン上で公開されます。

課題提出は年内までですが、なんとか課題をクリアーし、来年の試験に臨みたいと思います。そして、知れば知るほど奥の深いモンテッソーリ教育の面白さを感じています。

ただ、同時に濃い時間であった8日間のスクーリングを終えると、相談する場もオフィシャルにはないため、改めて復習をしたい場合には、同じ協会が提供している、有料の「実践研修室」という講座があり、こちらを受講することで復習に当てている受講生も多いそうです。私もフォローアップとして受講予定です。

2017年度実践研修室

また、スクーリングを経て、他の生徒さん達と実際に会って共に学ぶことで、今回の0-3歳クラスでは、SNSで任意のグループが結成されました。課題に取り組む上で分からなかった場合や、スクーリング内で聞き漏らしてしまったこと、写真が取れていなかった教具などの、また疑問に思っても質問する機会がない分、ちょっとした質問がしたい場合など、実際に受講した受講生同士で繋がり、相談や共有することができています。通信教育というと非常に個別な取り組みのように感じますが、実際に約80名が集まり、交流を深めるスクーリングという貴重な場があることで、より学びが深くなっていくように感じています。

もし今後参加される方がいらっしゃれば、是非スクーリングの場で沢山の方と交流されることをお勧めします。また、出席者の半数以上が現場のモンテッソーリ教育の先生方なので、日々園での取り組みや知見なども伺えると思います。