Most Likely To Succeedを活用したマインドセット改革 ~ 学校法人堀井学園 | Project Moon 堀井 章子先生

"What School Could Be" アン/カンファレンスイベント開催レポート 第5回は、堀井 章子先生による「Most Likely to Succeedを活用したマインドセット改革」というテーマの分科会です。堀井先生は1月の横浜での上映会を主催以来、学園の先生方による自主上映会活動を通じたマインドセット改革を支援していらっしゃいます。堀井学園 総合企画室室長であり、横浜創英中学・高等学校で公民科の教員として教壇に立つ傍ら、教育に圧倒的な情熱を感じる人の懇談会"Crazy Educators Gathering"の主催や教育の未来を考えるプロフェッショナル女性の任意団体Project Moonのメンバーでもあります。

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冒頭は、参加者による"チェックイン”で、この会に期待していることを共有してもらいました。ここからも、参加された先生方の高い志と奮闘がわかります。

<参加者ニーズ>
・教員の研修にいかしたい。
・プロジェクト型学校を作るにあたり、まさに先生方のマインドセットのために来た。
・「今の地球がよくて火星に行きたくない人(Ted氏の基調講演の引用)」に映画を見たい!という意欲を出してもらえるかがテーマ。
・有志で新しい教育を模索する勉強会をたちあげたため、学びに来た。
・進学校でアクティブラーニングを実践しても理解してもらえなかった。自分がやりたいアウトプットの授業を伝播するため、どうしたらボトムアップで学校を進化させていけるかを知りたい。
・モンテッソーリ教育の資格を取った。新しい学びとかつての学びの両方を研究している。
・みんな教育を変えたいと思っていても、勉強会等の参加は少ない。巻き込み方を知りたい。
・カリキュラムがない教育法を実践し、自立した子供に育った。「何も教えない方がよい」のではと考えたため。
・進学実績を最重要にしているが、教育をかえなければならないとは思う。何故なのかを突き詰めたい。
・学校自体を変える為に、他校の状況も知りたい。
・最近学び続ける教師のための団体に参加。まじめな先生で改革をしたい人ほど学校をやめてしまう現実を変えたい。

<プレゼンテーション1> この映画を推進する理由:「誰よりも雄弁。」
教育の基本原理などを学べる過去の偉人は沢山いる。しかし、この映画は発展していく社会で、今必要な新教育を考えるために、誰もが触れられ、何度も見てそのたびに色々考えられるものだと確信したため。

(参考)映画『Most Likely to Succeed』とは

<参加者ディスカッション1> 「従来型から変えられない。」
〇変われない理由は? ・・・教師の課題(あくまで課題ですよ)
・10-20年培った「オレの教育」を捨てられない?
・教師になる人材は無難なエリート道を歩むタイプが多い?
・よって未知のものにチャレンジするタイプの人は教師にならない?
・つまり、変化を好まない?というより、そもそも変えるのが嫌い?         と、身もふたもない。。。
〇では、我々は何を目的に教育活動をしているか?
・テストの為に教育?
・テストが目的となるのは、「大学予備校」となってしまう学校の宿命
・テスト・評価というフレームに執着してしまう
   ▶︎ しかし、良い大学に合格しなかった、評価が低いなどを理由にして生徒を嫌う教員はいない!

<プレゼンテーション2> 上映会がボトムアップを引き出した
前提1 教員研修

 ① ヒアリング「教師になった真の理由」を考えてもらう
 ② 教育研究をするためのチームを組織
 ▶︎ それでも学校としての組織行動を生み出すのはなかなか困難。

前提2 学習指導要領の改訂を機に学校に変化が求められる
 どこの学校にもあるように、検討委員会が設置された
 ▶︎ 改革担当者になっても、なかなかアイデアが作れない。

そこで! 
【1】映画の上映
 ① アンテナが立った見たそうな人(ごく少数)に見せてみた。
 ② その人の周囲の「見たい人」に見せる。つまり見た人が、「どうもいいらしいぞ」と気になって見たくなった人、に見せたのが次の動きを刺激することになった。

【2】上映後のチーム(メンバー)の変容
 上映直後のディスカッションの様々な感想
 ・本来、教育はこうあるべきではないか
 ・映画の様にはできない、総合的な学習の時間や行事、部活動としてなら捉えられる
 ・なんとかできないか、考えようとする
     ↓
 それでも「本当にできない?」か、さらに問う
 ・他のPBL(プロジェクトベースドラーニング)の事例に目を向けたり、制度を確認したり
 ・アイデアを出し合ったりする

【3】その後の学校での伝播
 映画を見た人が増えると、映画の内容が会議の共通言語になってくる
     ↓
 さまざまな会話に共通言語が登場しはじめると、校長も見たい気持ちになり、校長が動いた
     ↓
 校長主催の上映会が実施された。→【2】へ

【4】視聴する先生が増えるたび
 ・否定派でも映画のことは評価している
 ・繰り返し見るたびにクリアになる傾向がある

<事例>
「まず自分が見て、生徒が“与えられたもの”をやるのではなく、生徒が主体的に学ぶための学校のあり方・教員のあり方を考えさせられました。それを他の先生と考えたくて映画を見てもらいました。すると、それだけでなく、プロジェクトベースドラーニングのイメージや事例を共有できたことによって、議論が加速しました。」
(横浜創英中学・高等学校 教育開発部 部長 粕谷憲義先生)

 

参加者ディスカッション2> 上映会のスタイル
 ・校内研修
 ・有志
 ・保護者が見て、先生へアプローチ → とても効果が高いのではないか?
  ▶︎ 学校・教師は保護者のニーズ・理解が必要。その意味でも保護者へのアプローチは有効と考える。

参加者ディスカッション3> 「学校づくりの原点」更なる議論に発展!
◯ どんな教育の理念を持っていますか?
 教え方よりモチベーションが大切。
 学校にモチベーションをおこさせる仕組みはあるのか?が大切。
 自我がでてきて、自分に向き合う時間が大切。つまり、社会にでていくための自分の役割を考える。

◯ モチベーションをどのように引き出すかが大切
 社会的なsucceed とは何か。その子にとっての成功が大切。保護者が決めつけるものでもない。
 デモクラティックスクールは、学校の運営は子供達がやる。>>人との関係性の構築する教育が可能。
 自主性と社会との関係性を自ら気づき考え始める。そして、モチベーションを見出す仕組みが必要。

 

<ナビゲーターより>
 どの参加者の方々も、熱意があると同時に、教育者として常に進化をすることを志として持ち実践していらっしゃる先生ばかりでした。その具体的実践や、教育理念や子どものモチベーションについてなどの意見交換ができ、私が勉強させていただく夢のような時間でした。上映会に強い関心を持っていただいて、すでに開催に向けて具体的に動き始めています。このWhat School Could Beのイベントの大きな目標である、Next Stepが目に見えていることが、私自身の明日への活力になりました。ありがとうございました。

<記録> 玉島千恵子