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2019年度版 冬休みに読みたい15冊:保護者・親子向け読書リスト by Co-musubi

3年目となる、冬休み読書特集のスタートです。「主体的で、対話的で深い学び」を提唱する新学習指導要領の2020年施行まで2年を切り、「子供達が主体的な生き方ができるために親ができること」について改めて考えさせられる一年でした。

まさに、子供の主体性から育まれていく「生きるチカラ」を家庭で育む事をテーマとして活動されている、Co-musubi さんから、教育を考える上でとても本質的な書籍の15冊をオススメ頂きました!

Co-musubi 公式サイト: https://www.co-musubi.com/

人間はいろいろな問題についてどう考えていけば良いのか (新潮新書)

人間はいろいろな問題についてどう考えていけば良いのか (新潮新書)

森博嗣(著者)

単行本: 208ページ

出版社: 新潮社 (2013/3/15)

Co-musubiさん読書会での感想

「今までとは違った視点で物事が見られるかも、もう一度読み返してみたいと思いました」

「人によっては難解で、人によっては目の前がぱっと開ける内容」

「娘の思考を知れたことで「この子を信じて大丈夫なんだなぁ。」と私が思うことができました。以前は私のペースを押し付けてたことがわかりました。」

Co-musubi代表井上さんからのメッセージ

抽象とは、物の本質に注目すること。一見、具体的である「数字」でさえ、著者は「極限まで抽象化されたもの」として例に出しています。

著者のいう「抽象」は範囲が広いのです。

だからこそ、普段、抽象の世界で思考している人が読めば、自分の曖昧だった思考の世界を言語化されたように感じ共感の嵐となり、日頃、具体的に思考する世界で生きている人にとっては、書かれている多くの事柄の理解が難しく感じられます。したがって、今の自分の思考パターンを客観的に理解することもできる一冊です。

ではなぜ抽象思考が必要なのでしょうか?

ひらめきや既存にはない新しい発想は、この抽象的な思考から生まれるからなのです。

そして、ここからは私の主観です。

予想困難な時代を生き抜くには、これらひらめきや柔軟な発想が必要だ、だから教育は変わらなければならない。
と言われており、教育界はあらゆる新しい手法について議論され試行錯誤され、沢山の人が知恵を絞って活動されています。

ここで大切なことは抽象的な思考で考えられる人を育てること。

抽象とは言い換えれば、感性や情緒の世界で物事を思考できるということ。

だからこそ、ひらめきや柔軟な発想を持ち、考え続けることのできる人を育てていくには、抽象的な世界観でプログラムを作り、子どもたちに関わることが最重要だと考えています。手法は具体的であり、こどもたちのひらめきや発想をほんとうの意味で育むことは難しいと考えています。

この本は意識せずに読むと全く子育てとはリンクしません。ですが、自らの道を切り開いて生きていく思考力を持った人財を育てていくには?の前提を持って読むと、全く別の解釈でこの本を読み進めることができ、新しい視点を手に入れ、こどもとの関わり方が大きく変わる可能性を秘めた一冊となります。読む人次第、読み方次第で、教育やこどもに関わる人の価値観や視点、視野も変えていく面白い一冊なので、一押し本とさせていただきました

現に、本を読んで読書会を行い理解を深めたメンバーの多くが、子どもたちへの関わり方が変わり、子どもたちの意欲が大きく変わりました。

そしてこの延長線上に、下記でご紹介する、情緒の世界で数学に挑んだ岡潔や、情緒の世界で文学に挑んだ宮沢賢治などの関連本があります。

好奇心の正体を知りたい時におすすめ

子どもは 40000回質問する あなたの人生を創る「好奇心」の驚くべき力

著者: イアン・レズリー

ハードカバー: 336ページ

出版社: 光文社 (2016/4/19)

「「好奇心」について深く理解したい時におすすめの二冊です。
そもそも好奇心とはなにか?
先天的なのか、後天的なのか?
好奇心を持つ強みは?
など、しっかり理解したい時に役立ちました。
特に「子どもは40000回質問する」は好奇心を知る上での導入として最適です。」

私たちは子どもに何ができるのか――非認知能力を育み、格差に挑む

私たちは子どもに何ができるのか――非認知能力を育み、格差に挑む

ポール・タフ (著), 高山真由美 (翻訳), 駒崎弘樹 (その他)

単行本: 176 ページ

出版社: 英治出版 (2017/9/6)

「一生の財産となる非認知能力をどうやったら身につけられるのかというテーマの一冊です。非認知能力の獲得機会と貧困の関係について、科学的根拠と事例を元に提示してくれる一冊です。」

 関連雑誌:

ダイヤモンドハーバードビジネスレビュー 2018年 12 月号 [雑誌] (好奇心 組織の潜在力を引き出しビジネスを成長させる)

情緒で解く数学の世界に触れたい時におすすめ

はじめアルゴリズム (1)

はじめアルゴリズム (1)

著者: 三原 和人

コミック:192ページ

出版社: 講談社 (2017/11/22)

「情緒の世界の数学者の本。作者は天才数学者の岡潔にインスパイアされてこの本を書きはじめたそうです。
岡潔は情緒の世界で数学に向き合った天才です。Co-musubi の高学年の子供達の中でブームになっています。」

保護者向け

数学する身体

数学する身体

著者: 森田 真生

単行本: 227ページ

出版社: 新潮社 (2018/4/27)

「作者は天才数学者の岡潔の世界を、若手の独立数学者である森田真生氏が書いたのがこちらの「数学する身体」です。数学を通じてこころや人間とはというテーマに思いを馳せる一冊です。」

 親子で読みたい、同作者の絵本はこちら

アリになった数学者

アリになった数学者 (たくさんのふしぎ傑作集) 

著書:森田 真生

単行本: 48ページ

出版社: 福音館書店 (2018/10/3)

偉人のエピソードを親子で

 失敗図鑑 すごい人ほどダメだった!

失敗図鑑 すごい人ほどダメだった!

著書:大野 正人

単行本(ソフトカバー): 176ページ

出版社: 文響社 (2018/4/27)

「偉人のエピソードから生き方を学ぶことができます。大人こそ、ぐっとくるかもしれません。親子で楽しめ、話し合うにはもってこいかなと思います。読み聞かせにもおすすめです。」

関連書: ミライの授業 瀧本 哲史

情緒の世界の児童文学

オススメ作者: 宮沢賢治

「宮沢賢治も、岡潔と同じく、情緒の世界で文学に挑んだ人。
宮沢賢治のあらゆる作品に親しんだ後に、銀河鉄道の父を読みながら、岩手県を旅すると最高です。」

科学や経済の面白さにふれる本

ドミトリーともきんす

ドミトリーともきんす

著者: 高野 文子

単行本 (ソフトカバー): 126ページ

出版社: 中央公論新社 (2014/9/24)

「日本の優れた科学者たちが残した文章を、なぜいま読み返すのか。
その意義を、架空の学生寮を舞台に、「科学する人たち」と一組の母娘の交流を通じて丁寧に描いていきます。
「道具を持ち替えることから始めた」と著者が語る通り、画面を行き交う線はさらなる進化を遂げ、
フィクションとノンフィクションのあわいに、唯一無二の世界が生まれました。」Amazon.co.jp 内容紹介より抜粋

お金の教室
おカネの教室 僕らがおかしなクラブで学んだ秘密 (しごとのわ)

お金の教室
おカネの教室 僕らがおかしなクラブで学んだ秘密 (しごとのわ)

高井 浩章

単行本 (ソフトカバー): 272ページ

出版社: インプレス
 

「著者はキャリア20年超の経済記者。
自身の3人の娘たちに「面白い物語を読んでいるだけで、お金や経済の仕組みがわかる本」を読ませたいと思い立ち、7年かけて書き上げたのが本書です。2017年に個人出版したKindle版は、累計1万ダウンロードを突破!
「紙の本は出ないの?」「自分の子どもにも読ませたい」という熱い声にお応えして、待望の書籍が発刊です。」  

人類と気候の10万年史

人類と気候の10万年史

著者: 中川 毅

新書:  224ページ

出版社: 講談社 (2017/2/15)
 

「人類史の歴史の中の気候変動から現代を見つめ直す一冊。」
 

雲の中では何が起こっているのか (BERET SCIENCE) 

雲の中では何が起こっているのか (BERET SCIENCE) 

単行本(ソフトカバー): 343ページ

出版社: ベレ出版 (2014/6/23)

言語: 日本語

 

「身近だけれど謎の多い雲について、わかりやすく深くそして面白さを感じながら理解することができる一冊です。保護者の方が雲についての知識を得て、親子で散歩をしながら空を見上げて話し合ってみることで、お子様の知的好奇心を育むきっかけになると思います。」

デタラメ研究所 (月刊たくさんのふしぎ2018年8月号) 

デタラメ研究所 (月刊たくさんのふしぎ2018年8月号) 

小波秀雄 (著), コマツシンヤ (イラスト)

雑誌: 49ページ

出版社: 福音館書店 (2018/7/3)

「デタラメと確率の世界に誘われる一冊です。」

理系の子 高校生科学オリンピックの青春 (文春文庫 S 15-1) 

理系の子 高校生科学オリンピックの青春 (文春文庫 S 15-1) 

ジュディ・ダットン (著), 横山 啓明 (翻訳)

文庫: 437ページ

出版社: 文藝春秋 (2014/10/10)

「やや古い本ですが、こちらは理系中学生から大人まで。サイエンスフェアでの青春を描いており、とても心に響きます。理系教科は好きだけれど、明確な目標のない中高生にもおすすめです。」

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