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マルチリンガルで世界を渡り歩く子どもたち

「日本の大学では、帰国生が可愛がられる」と言う噂を聞きました。理由は大学の先生たちが国際会議や論文を翻訳するのが大変だし、外国の研究者たちとコミュニケーションをとるのに苦労するからです。そろそろ日本の英語教育だけでも十分対応できる学生が多いのではないかと思いましたが、大学での英語の成績上位は帰国生や留学生で占められているようです。

私が執筆するアメーバブログ「12才からの海外ボーディングスクール」では、2010年より中学3年間を海外ボーディングスクールで過ごした長女の留学体験を親目線で紹介しています。長女はその後、日本の高校を卒業し日本の公立大学で経営学を専攻しています。

そこで人気のアジア経済のゼミを希望したところ、教授から逆指名されて来年度に開催される国際経済会議のアシスタントや東南アジアの視察ツアーへの同行までも決まってしまったのです。日本の大学はとくに学生数が多いのが特徴なので、数年ばかりの在籍期間に特別扱いされるのはなかなかないと思います。選ばれた理由はただバイリンガルであるからです。しかしこれは、いまの時代の大学生の親としてはガッカリな事実です。日本人にはバイリンガルがまだまだ少ないという証拠ですから。

私は出張で東南アジアによく行きます。そこでは売店のアルバイトでも母国語のほかに英語や中国語などを話します。給料だって、日本の新卒よりずっと低いでしょう。売店で使われる外国語なんて、当然大学レベルのものではありません。たった一言の外国語を言えないことによって、ビジネスチャンスはゼロです。

この何十年もの間にマルチリンガルはもちろんバイリンガルすらまだあまり育っていない日本は心配ですが、外国人の方が日本語ペラペラになってくれる方が早いような気もします。

私は昨年に北海道のスキー場へ行きましたが、ホテルやレストランなどのスタッフは流暢な日本語のロシア人をたくさん見かけました。すでに東京でも飲食業の多くはマルチリンガルな外国人で溢れかえっています。

英語を大学レベルまでという教育も結構ですが、小学生レベルの多言語はやはり、現地キャンプなどで経験させる方が早いのかもしれません。

日本のママたちが世界一になるためのコミュニティ「MamaBA(ママビーエー)」では、世界で子育てしている日本のママたちのグローバル教育交流会も開催しています。これからも「日本でママになれて良かった」と思えるグローバル教育情報をご紹介していきますので、どうぞお楽しみに。 

by Sachiko Hirayama